グッドニュース誌(日本語)
月刊「グッドニュース誌」は救いの福音と恵みの証を伝え、多くの人々をイエス・キリストの世界へ導いています。

「パク・オクス牧師の証」地の果てまで福音を、終わりの日まで主と共に_261

投稿者
goodnews2
投稿日
2021-10-27 23:08
閲覧数
362
旅のために
何も持って行ってはいけない


マルコの福音書6章には、イエスが十二弟子を呼んで伝道旅行に行かせる話がある。人々は農業や商売、また職場でお金を稼いで暮らしているが、福音の伝道者は神様の恵みだけで生きているので、どこに行っても何かを持って行ってはならない。私も救われて福音だけを伝えながら生きていたので、交通費もなくて困る時が多かった。
イエスが十二弟子を二人ずつ遣わし、旅のためには杖一本の他はパンも、袋も、胴巻に金も持って行ってはいけないと言われた。そうしてこそ神様が働いてくださるからだった。私も宣教学校でそのような訓練を受けた。何度か伝道旅行に出かけたが、初期はテグからチョンドを経由してミリャンまで行って来た経験がある。神様に祈れば叶えてくださることは知っているものの、実際、そのような経験はしたことがなかった。そのため二人でチームになって出発するときにどのようなことが起こるのかとても気になっていた。

 

神様がそのすべてを準備してくださったと思うと…
私たちはチョンドに向かって線路に沿って歩いた。しばらくすると、列車がカーブに入り、ブレーキを踏みながら通り過ぎた。その後に線路を見ると鉄の塊が落ちてあった。列車のブレーキの一部分が割れて落ちていたのだ。列車がブレーキをかけた状態で落ちたものだったのでかなり熱くなっていた。その鉄の塊を拾って歩く途中、飴売り商人に会って飴と交換して食べた。神様が私たちのためにくださったものだと思い、感謝した。
私たちはミリャンに行って伝道をし、再びチョンドに戻って家々を訪ねながら伝道を続けた。しかし、田舎は夜7~8時頃になればほとんどの家が電気を消して寝てしまうので、その時間が過ぎると訪ねることができなかった。私たちを泊めてくれる人を探して、夜になる前に家々に訪ねたが、寝床を提供する人はいなかった。誰が見知らぬ人を家に泊めてあげたいと思うだろうか?
夜になって伝道もできなくなり、私たちはチョンドを出てキョンサンまで国道を歩くことにした。一日中何も食べていなかったのでとても疲れ果てていた。今ではその道路に多くの車が走っているが、当時はあまり車が通らなかった。一緒に行った兄弟と街灯もない真っ暗な夜道をずっと歩き続けた。時々賛美歌も歌ったが、それも疲れたら何も言わずに歩くだけだった。しばらく歩いた時、私たちはアスファルトの上に人が倒れているのを見つけた。驚きながら近づいてみると、ある年配の方が酒に酔って倒れていた。その方は家に帰る途中、酒に酔って眠ってしまったようだった。
「おじいさん。起きてください。」
その方が体を起こした。
「お家はどこですか?」
「キョンサン」
その方は酒に酔ってまともに歩くこともできなかった。私たちも疲れ果てていたので、その方を支えて歩くのは無理だと思ったが、そのまま置いて行くこともできなかった。仕方なくその方を両側から支えながら一緒に村まで行くことにした。キョンサンまでは4kmもさらに行かなければならなかった。普通に歩いて1時間かかる道を、年配の方を連れて歩くのがどれほど大変だったのかそのまま置いて行きたい気持ちが大きかった。さらに腹が立ったのは、しばらく歩いた後に「靴がない」と言われ、見るとその方の片方の靴が脱げてなくなっていたことだった。真っ暗な夜道を逆戻りしてやっと靴を見つけて履かせても、しばらく歩いた後にまた「靴がない」と言われた。本当に一発殴りたいほど腹が立った。
1時間以上歩いてキョンサンに近づく頃にはその方も酔いが覚めて正常に歩くようになった。キョンサンの入り口に街灯があり、その下に数人の人が集まっていた。私たちが近づくとある人が走って来て「お父さん、こんな遅くまでどこにいたのですか?」と言った。その年配の方はチョンドの市場に行き、お酒を飲んで家へ帰る途中に道端で寝てしまったのだ。私たちがその方を連れてきた経緯を話すと、その方の息子がとても感謝していた。
私たちを自分の家に連れて行き、酒に酔った父を連れてきたお礼に食事を用意してくれた。その当時のことは今も鮮明に覚えている。宣教学生の私たちは食事の用意ができるまで、その方の息子に福音を伝えた。私たちはとても疲れていたので、私が御言葉を伝えるときは兄弟が隣で居眠りをし、兄弟が伝えるときは私が居眠りをしたりした。そうするうちに食事の用意ができ、私たちはこの上なく感謝した。一日中飢えていたので、ほとんどの皿が空っぽになるほど食べつくした。その家族は父を連れてきたことを心から感謝し、私たちをもてなしてくれた。私たちがその方を置いて来たらどんな目に遭ったか分からないからだ。
食事の後に布団を敷いてくれたので夜中1時頃に横になった。私は寝る前にその日の出来事を思い出してみた。その方が酒に酔って道に倒れていたこと、私たちが見つけて連れてきたこと、その家で福音を伝えたこと、ご飯を食べて寝床まで用意してくれたこと…。神様がそのすべてを準備してくださったと思うと、限りない恵みに驚き、感謝した。
次の日の朝食も用意してくれたので、食事の後にもう一度御言葉を伝えてからその家を出た。その方の息子が私たちと一緒に駅まで行ってテグ行きの切符を2枚買ってくれた。

 

神様が準備してくださるも、私が他の所にいたなら…
神様は私たちが気づかないときでもいつも私たちを守り、助けてくださる。ところが、神様が見えず将来に対する不安を持っていれば、職を失ったりお金やお米がなくなったりすると不安で焦り始める。
私はイエスの中に生きながら多くの困難に遭遇した。ゴチャンのジャンパリで福音を伝えていたとき、テグの宣教本部に行かなければならないが、交通費がなくて気が気ではなかった。宣教本部に行く月曜日の朝、交通費はなかったが私はバス停へ向かった。停留所までの道に教会の兄弟の家があった。兄弟はゴチャン女子高の教師で奥さんは文房具店を営んでいるのでその家には交通費ぐらいはいつもあった。私の心はその兄弟の家に向かった。「その家に入ってみようか?しかしそこで何と言えばいいの?」その後に繰り広げられることを想像してみた。私がその家に入ると、兄弟が私を見て「伝道師先生、朝早くからどうされましたか?あ、そうか。今日はテグに行く日でしたね。交通費はありますか?無いなら前もって言ってくれれば良かったのに」と言うかもしれない。
しかし、その家に行くことは神様を信じることではなく人間的な方法であることを悟り、行かないことにした。すると別の考えが浮かんだ。以前、ある日の朝に私が自転車に乗って兄弟の家の前を通ったことがある。その時、兄弟が洗顔した水を道路にかけながら私を見て「伝道師先生、朝早くからどこへ行きますか?入ってコーヒーでも飲みませんか?」と誘われたことがあった。
その家に行かないと決めたときにそのことを思い出しながら、兄弟が以前と同様に洗顔した水を道路にかけながら私を見て自分の家に招く光景を想像してみた。私が自分から出て今の私の姿を見てみると、とてもみすぼらしく見えた。仕事をしてお金を稼がない限り、ずっとこのようなことが繰り返されるだろう。そこで私は心を決めた。「一生、このようには生きたくない。テグに行けなくなっても神様だけに頼りたい。」私はその家の前を通らず、路地に入った。
路地から道路に出ると、「テグ行き」という文字が書かれたバスが停留所を出発して私がいる方向にゆっくり近づいて来た。「あのバスに乗らなければならないが…」バスを止めるべきかどうか迷っていると、バスが私の前に止まってドアが開いた。周りを見ると誰もいなかった。「これは乗れ」という意味だと思いバスに乗った。するとバスの中で「パク伝道師、こちらに来てください」という声が聞こえた。テグで信仰生活をしているある姉妹だった。その姉妹の故郷はゴチャンのマリという村で、姉妹はその村に住む実家の母親に会って帰るところだった。
バスが市内を抜けて走り出すと車掌が乗車券を持ってきて交通費をもらおうとした。私が姉妹の顔を見て笑うと姉妹が代わりに交通費を払ってくれた。それから姉妹が話を始めた。
姉妹はテグでハンボク(民族衣装)の裁縫をしていて、多くは稼げないが少しは余裕のある暮らしをしていた。そのため、姉妹が時々実家に行くときはお金の出るところのない田舎の母親のためにテグ行きのバス代だけを残し母親にすべて渡して帰って行った。その日も母親と一緒にバス停まで来てお金を渡そうと財布を開けたが、なぜかお金を渡さなかったという。そのままバスに乗り込む娘を見た母親が呆然としたそうだ。
姉妹はバスの中で、「どうして母にお金を渡さなかったのか。年を取ってケチになったのか?」と思ったが、バスがゴチャンの停留所を出発したときに私がカバンを持って歩いて来るのを見た。「パク伝道師がテグに行くに違いない!」と思い、運転手に「一緒に行く人がいます!」と言って車を止めたそうだ。
今はゴチャンからテグまでは1時間もかからないが、当時は道路状態も悪くて走る途中でも人が手を挙げれば乗せたりしていたので、早朝に出発したのがテグに着いたときは正午を過ぎていた。姉妹は私を自分の家に連れて行き昼食を作ってくれた。美味しく食事をした後、姉妹が私を待たせてどこかへ出かけて帰って来たが、お金を借りてきたようだった。そしてご苦労だと言いながら私のポケットに小銭をたくさん入れてくれた。
その夜、テグの宣教本部で寝床に入る前、私は祈りながらその日の事を思い出してみた。朝に兄弟の家に入ったなら神様が姉妹を通して準備してくださったバスはそのまま通り過ぎたはずだ。なぜなら神様が私のために準備してくださっても私が他の所にいたからだ。もしそうなっていたら私は何と思っただろうか。「祈っても無駄だ。神様は私の祈りを聞いてくださらない。」そう考えながら一生信仰もなく生きていただろう。
神様が私の祈りに答えてくださることも知らず過ごしていたなら、今も信仰なしで生きるに違いないと思った。



困難で苦しい時に神様に頼ると、必ず神様が助けてくださった
イエスは弟子たちを二人ずつ送りながら杖一本の他は何も所持してはいけないと言われた。弟子たちが手ぶらで行ったように、私も手ぶらで外に出るときが多い。その度、神様はキョンサンでおじいさんに会わせて食事や寝床を与え、テグ行き汽車の切符もくださり、また姉妹を通してテグ行きの交通費もくださった。そのようにして神様が私の人生の一部分一部分を助けてくださるのを見た。
もし私が人間的な考えをしていたなら、そのような状況がある度「神様は助けてくれない」と思い、信仰の人生を諦めて人間的な方法で生きていただろう。ところが、伝道旅行に行ったときやテグに行く前に神様を信じると心を決めたとき、神様は確実に助けてくださった。歳月と共に韓国の経済も良くなり、今は良いマンションに住んで良い車に乗り、食べ物も豊富になった。今も私は食事をすることがとても嬉しくて楽しい。なぜなら昔なら想像もできなかった食べ物が食べられるからだ。
私が福音と共に歩む間、困難なことも多かった。その度、神様に頼らざるを得なかったし、頼れば頼るほど神様が私を助けてくださるのを見た。とても驚きであり嬉しくて神様に賛美と感謝を捧げたくなる。
最近は私の書いた本の印税がかなり増えてきたので、福音のために尊く使われている。私が本を書いて印税が入るということが以前は想像もできないことだった。私が福音を伝えている間、神様は思いがけない多くの道を開いてくださる。最近はオンラインを通して海外の多くの長官や大学の総長たちに福音を伝えている。1日に2、3人ぐらいに福音を伝えているが、その方たちが福音を受け入れて変わる姿を見ると本当に感謝する。
特に、2020年に続いて2021年にも、インターネットを通して福音が全世界に伝えられ多くの人々が罪の赦しを得た。心から神様に感謝し、すべての栄光を神様に捧げる。
合計 150
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