グッドニュース誌(日本語)
月刊「グッドニュース誌」は救いの福音と恵みの証を伝え、多くの人々をイエス・キリストの世界へ導いています。

「今月の説教」 『自分』に勝った病人

投稿者
goodnews2
投稿日
2022-02-26 20:11
閲覧数
179


世の中の人がみんなそうであるように、人は誰でも自分だけが持っている考えがある。人それぞれ趣向が違うし、性格も違う。誰もが自分の考えに従って生きるなかで人格が形成される。ある人は短気で、ある人はのんびりして…。おのおの考え方に従って自身が形作られていく。そのように異なる考えを持っている人々が互いに夫婦になり、友だちにもなる。

今まで自分の考えた通りに生きてきたけど、 あの方の御言葉を一度聞いてみよう
イエスがおられた当時、ある病人がいた。彼は38年もの間、病気により体が動かせなかった。もう誰も彼のことを知っている人などいなかったし、彼と親しい人もいなかった。親はいたはずだが、彼は親がいつ世を去ったかは分からない。
ところが彼はイエスに会った。彼がイエスを訪ねたのではなく、イエスが彼を訪ねて来られた。そして彼に言われた。「良くなりたいか。」病人がイエスの声を聞いた。イエスはこの病人だけでなく、世界中のすべての人に言われます。「よくなりたいか。」イエスは私たちが盲人であろうが障害者であろうが、あるいは他のどんな病気にかかっていても「よくなりたいか。」と言われます。全ての人がイエスの心を知り、イエスの恵みを知っているなら、イエスに出会って幸せにならない人などいない。しかし私たちにはイエスの御言葉を聞く耳がない。
38年もの間、病気にかかっていた病人がイエスの御言葉を聞いた。
「よくなりたいか。」
病人は答えた。
「主よ。私には、水がかき回されたとき、池の中に私を入れてくれる人がいません。行きかけると、もうほかの人が先に降りて行くのです。それで治りたくても治せません。」
そのときイエスは彼に言われた。
「起きて、床を取り上げて歩きなさい。」
病人はびっくりした。
『何ですって、床を取り上げて歩けと。話になりません。私が起きて床を取り上げて歩けるなら、どうしてずっとここで横になっているんですか。何度も歩いて見ましたが、転んだだけです。 駄目です。』
病人の心には数え切れない多くの考えが訪れた。『歩けるものならどんなに良いことか。しかし私は駄目だ。』そんな考えが病人の心にはいっぱいだった。しかし、一つの考えが訪れた。
『あなたは今まであなた自身の考えを信じた。ところが結果はどうだった。良くなったことは何にか。もうあなたの考えを捨ててあの方の言った通りに起きて歩いてみなさい。あなたに、起きて歩きなさいといった人は誰もいなかったではないか。』
病人は、始めはイエスの御言葉を聞こうとはしなかった。しかしイエスの御言葉が耳に入ってきて、心の中で様々な考えが交差した。そのうちの一つがイエスの御言葉通りに歩いてみようという考えだった。
『私は今まで自分の考えに従って生きてきたが、有益なことは何か。病んでいる体の他に何があるか。金もない、家族もいない。そうだ、今まで自分の考えに従って生きてきたが、その考えを捨ててあの方の声を一度聞いて見よう。』
イエスの御言葉を聞くと不思議に力が現れた。『そうだ、あの方の言う通り起きて床を取って歩こう』という考えが病人の心から生じた。

病人の考えが御言葉を追い出そうとしたが御言葉が心に響いた。
私たちがイエスの御言葉を聞くときサタンは多くの考えを入れてその御言葉を聞けないようにする。38年もの間、病気にかかっていた人の心にも、イエスの御言葉が聞こえたが『私がどうやって歩くんだ。ありえない。』という考えと『そうだ、あの方イエスの御言葉通りに歩こう』という考えが強く争う。病人が今までに起きて床を取り上げて歩くことは想像もできなかった。ところがイエスの御言葉を聞いた後心にその御言葉が残った。
多くの人がそうであるように、この病人にも自分の考えがあり、彼の耳を通してまた別のイエスの御言葉が入ってきた。病人は自分の考えだけに従って生きていたため、イエスの御言葉を聞いた後は心が複雑になった。初めて自分の考えと異なる考えがあったからである。その時、自分の考えがたちまち立ち上がり、イエスの御言葉を食い止めた。
『私に起きて歩けと?ありえない。私の足はやせ細っていて力もない、私は歩けない。』
自分の考えが心からイエスの御言葉をいっきに追い出そうとした。しかしイエスの御言葉が病人の中で叫んだ。「起きて、床を取り上げて歩きなさい。」以前は病人の心に自分の考えと異なる考えが入ろうとすれば、二度は考えずに追い出した。今回も病人の考えがイエスの御言葉をいっきに追い出そうとしたが、イエスに言われた御言葉が心から響いた。「起きて、床を取り上げて歩きなさい。」
病人は考え直した。
『あの方イエスはどんな方で私の心に自分の考えと異なる声をこだまさせて働くのか。不思議なことだ。神秘的だ。華やかな服を着てもいないし、地位や権勢があるようでもないのに、あの方イエスの声が私の中から離れない。』
そのとき驚くことに違う考えが彼の心から少しずつ浮かび始めた。
『そうだ、今まで私は自分のうちから上がって来る考えに従って生きてきた。しかしその考えが私に何の有益を与えたか。私をどう導いたのか。病気になって寂しくお腹も空いて….
自分から上がって来る考えに従って生きた結果は何だ。私の人生はあまりにも惨めではないか。自分から上がって来る考えは結局私を哀れな人、惨めな人にした。ところで私はなぜ、何のために私を滅ぼす私の考えに従って生きてきたのだろう。私はバカみたいに自分の考えばかり信じて、こんなに悲惨な状態から抜け出せなかったんだ。ならば、もう私の考えを捨ててあの方の言うことに従おうか。あの方が誰かは知らないが、私の考えよりも良いのではないか?何が起こるか分からないが、あの方の御言葉を聞いてみよう。もう私の考えではないあの方の御言葉に従って起きて床を取って歩いてみよう。』
この思いが病人の心をさらに満たした。心にイエスの御言葉が入り、彼に不思議な変化をもたらした。自分の考えを捨ててイエスの御言葉に従えば人生が変わるだろうという気がした。イエスの御言葉がこだまするように病人の心の中で休まず叫んだ。

彼は歩き続けた
38年もの間、病気にかかっている病人は今までは自分の考えを信じていたが、生れてはじめて自分の考えを捨てて、自分の考えと違うあの方イエスの御言葉に従おうとした。「起きて床を取り上げて歩きなさい。」と言われたイエスの御言葉が病人の心に入り、生きて働く瞬間だった。
病人は膝を曲げた後、地面に両手をつけて片足を起こし、続いてもう一方の足も起こした。両足で立った後、腰を伸ばした。 病人は驚いた。『私は立っている! これが夢なのかな? どうか夢じゃないように!』そして再び腰を曲げて、自分が横になっていた床を取り上げて腰を伸ばした後、歩き始めた。
病人は38年もの間、横になっていたが、起き上がって歩き始めた。自分自身で歩こうと、起きようとどんなに頑張っても駄目だったのが、今彼は歩いている。彼は果てしなく歩き、どれくらい歩いたか分からないが歩きつづけた。そのとき誰かが話しかけてきた。振り向くと、ある人が言った。
「あなた、今日は安息日なのに、なぜ床を取り上げて歩いているのですか。 それは
いけません。」
「私を直してくださった方が床を取り上げて歩けと言われたのです。」
「その方は誰ですか。」
「その方が誰なのか私も知りません。」
38年もの間、病気にかかっている人の心にイエスの御言葉が入り、彼はその御言葉通りにした。もう彼は病人ではない。そして彼は直った後多くの人々にイエスの福音の話を伝え生きた。

御言葉を拒む自分の考えを捨てて御言葉を信じれば…
聖書66巻はすべて神の御言葉である。地上にいる多くの人々が聖書を読んでいるが、ほとんどが聖書の御言葉ではなく自分の考えに従って生きている。誰でも38年もの間、病気にかかっていた人のように、聖書を読んで御言葉を受け入れてその御言葉によって体を動かし床を取り上げて生きれば、その人の人生にイエスの働きが現れる。私たちがイエスの御言葉を聞いて、その御言葉を拒む自分の考えを捨てて御言葉を信じれば、私たちの人生の全ての問題が解決される。御言葉を信じれば、どのように生きてきた人でも小さなイエスである。
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